自分のアタマで考えよう〜ちきりん著

自分のアタマで考えよう 「知識」にだまされない「思考」の技術

  • 著者:ちきりん、
  • 2011年10月27日 第一刷発行
  • 発行所:ダイヤモンド社

いまさらですが、社会派ブロガーとして人気のちきりんさんの著書を読みました。備忘録として記録に残します。

どうしてこの本を読んだのか

watsonはビジネス書を読むのが好きで、結構色々読んできました。勉強になったことはたくさんあり、少なからず自分の考え方に影響を与えていることは間違いないのですが、一方で本で読んだことを忘れてしまい、身につかないのが悩みでした。そんな時に、知識ではなく、思考の方法について言及のあるタイトルに惹かれて手に取りました。

本のポイント

「思考」と「知識」を区別する!

自分の頭で考えること、それは「知識と思考をはっきりと区別する」ことからはじまります。

自分のアタマで考えよう 「知識」にだまされない「思考」の技術 P.21より

これがまさにwatsonが実践できていなかったことでした。分かっていたつもりでしたが、たくさんの本を読むことを意識するうちに、だんだんと知識を得ること=思考が深まると勘違いしていました。

同書のあとがきにこのような一文がありました。

〜省略〜、こういった名著を「このことについては、私はもう十分に考えた!」と思えるまで読まないことにしました。

自分のアタマで考えよう 「知識」にだまされない「思考」の技術 P.242より

ちきりんさんは、古典や歴史的名著と呼ばれる本は、凡人とはかけ離れた才能を持ち、一生をかけてその分野を突き詰めて研究した第一人者が書いたものであり、その内容を超えることを考えつくのが不可能と思ってしまった瞬間に、それ以上考えることをやめてしまう自分に気づいたそうです。

そもそもちきりんさんより考えていないwatsonは、最初から答えを知るために名著を読んでいたのでした。これでは思考は身につきません。「もう十分に考えた!」と思えるまでとなると、いつまでも読めそうにないので、今後は自分なりの考えを持った上で読むことに決めました。

思考のガイドとしての「なぜ?」「だからなんなの?」

情報を見たときにまず考えるべきことは、「なぜ?」と「だからなんなの?」のふたつです。特に数字の情報を見たときは必ずこのふたつを考えます。

自分のアタマで考えよう 「知識」にだまされない「思考」の技術 P.42より

watsonも毎日テレビとかネットを見て情報収集しています。様々な情報に触れていますが、振り返ってみれば出来事を追うだけで、その背景までは理解できていないか、解説を聞いて「ふーん」と思っているだけです。これを防ぐためのふたつの問いかけであると理解しました。

知識を「思考の棚」に整理する

〜省略〜、この両者の差は、「知識を整理するための思考の棚をもっていて、次に知りたい情報を意識的に持っているかどうか」にあります。

自分のアタマで考えよう 「知識」にだまされない「思考」の技術 P.224より

ちきりんさんは同じ情報を見ても、いろいろ気づく人と、何も気づかない人の違いについて上記の様に述べています。ここに情報の活かし方についてのヒントがありそうです。

思考と知識を区別した上でwatsonが思うのは、得た知識をどのように覚え、活用したらいいのか?ということでした。上にも書きましたが、watsonは記憶力がなく、どうしても本の内容が覚えていられません。最近は本だけでなく、覚えておいた方が良い数字も(勤め先の決算とか!)忘れてしまいます。学生時代から暗記は苦手でした。

しかし、そんなwatsonが忘れられない経験があります。それは、高校生の時「楕円の面積を求める公式」をテスト中に導出して、得点をゲットしたことです。当時どうしても公式が覚えられないwatson少年は、なぜか公式の求め方は覚えていられたのです。今思うと、あれは授業で1ステップずつ考えながら公式を導出した思考を、土壇場でなぞることができたからでしょう。

深く思考したことは、暗記とは異なり再現が容易です。なので、日々の情報をなぞるだけでなく、そこから考えて自分なりの仮説を立てて、次に何の情報があればどのように思考を展開できるかを予め考えておきます。それが情報をインプットするのにも、そしてその情報を活かしたアウトプットをするためにも重要なのです。

まとめ

ちきりんさんは本書の中で、以下のようにまとめを記してあります。(矢印以下はwatsonのなりのまとめ)

  1. いったん「知識」を分離すること! ⇒「知識」は「思考」を邪魔しかねない。
  2. 「意思決定のプロセス」を決めること! ⇒データの加工(作業)と考察(思考)の時間配分
  3. 「なぜ?」「だからなんなの?」と問うこと! ⇒超重要!
  4. あらゆる可能性を探ること! ⇒分解図の作成
  5. 縦と横に並べて比較してみること! ⇒時系列と他者比較
  6. 判断基準の取捨選択をすること! ⇒2軸マトリクス
  7. レベルをごっちゃにしないこと! ⇒レベルずれの背景(意図)を把握する
  8. 自分独自の「フィルター」を見つけること! ⇒自分にとって一番大切な選択基準の明確化、からの2軸マトリクス
  9. データはトコトン追いかけること! ⇒生データの重要性
  10. 視覚化で思考を深化させること! ⇒階段グラフの活用と、視覚化による思考チェック
  11. 知識は「思考の棚」に整理すること!

 情報を得たときに「なぜ?」「だからなんなの?」により、その情報が意味することを自分なりに整理します。ついでに、さらにどんな情報があれば、こんなことが言えそうだぞ、ということを考えておいて、あとはその情報が入って来たときに考える。ということを繰り返すことをできる限りやってみることにしました。

どんな情報について考えるかですが、差し当たってはwatsonの目標である「豊かに暮らす」ために、生活者のトレンドに関わる情報について考えを深めたいと思います。目指せ思考人間!

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